no plan

無計画な日々

「ケンブリッジ・サーカス」を読む

僕の数少ない楽しみの一つにアメリ現代文学の作家ポール・オースターの小説を読むというものがある。こんな人だ。インテリ、イケメン、破天荒というモテキャラだ。

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このポール・オースターを日本語で読むには必ずある方の翻訳を通して読むことになる。それが柴田元幸先生だ。先生と呼びたい人なんてそんなにいないのだけど、柴田元幸さんだけは、柴田先生と呼ばせて頂きたい。それくらい柴田先生が僕達に紹介してくれる世界は奇妙で、ミステリアスで、刺激に満ちあふれているのだ。

ポール・オースターだけでなく、アメリカンマスターピースというアメリカの傑作古典アンソロジーも良いし、

 

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鋭利なナイフのように切れ味鋭い短編の名手マシュー・シャープを紹介、翻訳してくれたのも柴田先生のお仕事だ。本当に柴田先生の眼鏡に狂いはない。

作家の小川洋子さんが、ポール・オースターをはじめとする英語圏の小説家達など本当は存在せず、実は全て柴田先生の創作なのではないかと冗談めかして「ケンブリッジ・サーカス」巻末で語っていたが 、そんな想像をしたくなるほど柴田先生の翻訳は絶妙なのだ。中国から伝わったラーメンが日本で独自の進化を遂げるみたいな、独特の進化を柴田先生は各作品に施しているのではないか。

でも、どの翻訳作品にも柴田先生の声はない。柴田先生はいわば代弁のプロであって、ご自身の声を発せられるわけではない。

そんな柴田先生の貴重な声を集めたのが、この「ケンブリッジ・サーカス」だ。

一見エッセイのようだが、そんな読者の態度はかわされて、記憶、現実、虚構がゆるく入り交じって、ほっこりもすれば、寒気を感じて怖くなる僕の好きなテイストだ。

柴田先生があるラジオ番組に出演されていて、こんなことを言っていた。

「すぐに結論を出すのは大した書き手じゃねえ」


【柴田元幸】『著作と翻訳』について語る《学問ノススメ》vol 116 part1

ねえ、かっこいいでしょ。あなたも是非読んでみて下さい。

それではまた!

 

ケンブリッジ・サーカス (新潮文庫)

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ケンブリッジ・サーカス (SWITCH LIBRARY)

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