スクールJCAとマルセ太郎さん
こんにちは、三男坊日記です。
私、芸能事務所人力舎さんのお笑い芸人養成学校、スクールJCAでパントマイムの授業をしています。もう4年目くらいになりますかね。
人力舎さんは、お笑い芸人の表現の基礎として、パントマイムを重視されていて、これって、昨今のしゃべくり笑い全盛のお笑いの世界としては、珍しいことなんです。
僕のパントマイムの授業は、専門的なパントマイムのスキルや知識を教えるわけではなくて、如何に生徒さんの作り出す、目指す笑いの形に、僕の持っているパントマイムを始めとする身体表現の知識が寄り添うことができるか、役立てて貰うことができるかを念頭にしています。
ある時、他の講師の方から
「何故パントマイムを始められたんですか?」
と聞かれました。これまでも、何回もされた質問です。
正直、いくつか理由があります。
コンテンポラリーダンスに興味があったけど踊るのは、恥ずかしいとか、バレエに興味があったけど、タイツ履くのはな…とか後ろ向きな理由もあるのですが、(パントマイムでタイツ履いたこともあるし、後にコンテンポラリーダンサーと踊ったりしてるんだけど…)
「誰かの影響とか?」
と聞かれたので、僕は
「マルセ太郎さんかなあ…」
と言いました。
マルセ太郎さんというのは、昭和の名芸人で猿の形態模写が有名です。それももちろん面白かったのですが、僕が感銘を受けたのは、「スクリーンのない映画館」シリーズ。
「生きる」とか「泥の川」などの名画をマルセさんの映画漫談を交えながら、パントマイムを使って、マルセ太郎さんがたった一人で全ての役を演じていく様は、まさにスクリーンのない映画。
高校生の頃、そんなマルセさんを田舎の公民館で見て、僕はパントマイムって面白いなあ、と思ったのです。
「マルセさん!」
と人力舎の方が興奮気味に言うので、僕は
「ご存知ですか?」
というと、
「人力舎のタレント第一号ですよ!」
と驚きの発言。
こういうふうに、どこかが繋がっていくから、面白い。
人を笑わせるって、何よりもクリエイティブなことの一つだと思うから、夏休み開けの授業、僕も初心に帰って臨みたいと思います。
読んで頂きありがとうございます。
それではまた。