no plan

無計画な日々

家康梅事件の謎

先日、お昼のワイドショーを見ていたらこんな事件があった。

名古屋に徳川家康にまつわる家康梅(いえやすばい)なる梅の木があるそうで、せいぜい大人の腰くらいの小さな、花さえつけていない梅の木なのだが、その家康梅を引き抜いて立ち去ろうとする男が現れた。立ち去ろうとする男を近くの土産物屋の店員さんが取り押さえた。で、その土産物屋の店員さんというのが元万引きGメンだった、というニュース。

僕はそこでテレビを消したのだけど、なんだか興味を惹かれる事件だった。

まず家康梅という梅の木が家康にゆかりがあるというので、どんな立派な大木かと思いきや、一年くらい前に卒業記念で植樹しましたと言わんばかりの頼りない姿なのです。うーむ、一体どこに家康との関係があるのだろうか?家康が食べ捨てた梅干しの種がどこそこから発見されて、それを試しに埋めてみたら、芽を出したということなのでしょうか、謎です。

次に、この家康梅を抜き取ろうとした男性。映像を見ると、わりかし堂々としていましたね。キョロキョロと人目を盗んで、えいっと家康梅を抜き取ると、近くのベンチに座り持参した袋に包もうとしてました。この家康梅、どこかで高値で取り引きされているのでしょうか?こちらも謎です。

最後に最も興味を惹かれたのが、元万引きGメンの土産物屋の店員さん。元万引きGメンということは警察を辞めて、土産物屋の店員さんになったということですよね。警察で何か嫌なことがあったのでしょうか。

犯人に目星をつけ、犯人を泳がせ、店に潜入する。犯人に怪しまれないように、あくまで一般客を装いながら、犯人に近づき、犯人が品物を鞄に入れようとしたところを、もしくは鞄に入れて店の外へ出ようとしたところで声をかける…なんてことを日常的に来る日も来る日もこなしていれば、それは神経をすり減らしてしまうでしょうね。プライベートな時でさえ、怪しい素ぶりの人に声をかけてしまうなんてこともあったでしょうね。職業意識の高すぎる自分に嫌気がさしたのかもしれません。

そうして、新しい職場に彼が選んだのがお土産屋さん。殺伐とした警察の職場を離れ、のんびりと公園の花や草木を愛でながら、公園に訪れる老人や若いお母さんと朗らかに他愛のない会話を楽しむ日々。警察官としての給与や地位を失っても、それらとは異なる価値を手に入れ、ようやく本来の自分を取り戻しつつあった日に起きた家康梅抜き取り事件、いやあ本当に多くの謎が残った事件でした。

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